ボイトレにおすすめの
有酸素運動ってあるの?
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、身体に良いといわれていますが、精神的にも良い影響があること、そして発声にも効果があります。その理由を詳しく解説します。
またおすすめの有酸素運動や、効果的なやり方、注意点についても紹介します。
ボイトレにぜひ活かしてみてください。
適度な有酸素運動はボイトレ効果あり!
有酸素運動は酸素を使って、体内にある糖質や脂質をエネルギー源にして筋肉を動かす運動です。
ウォーキング、ジョギング、水泳、ダンスなど軽度〜中程度の気軽に始めやすいのが特徴です。
一方無酸素運動は、短時間で行う強度の高い運動です。エネルギー源として酸素ではなく筋肉中のグリコーゲンを消費して筋肉をつけます。
有酸素運動が健康に良いといわれるのは、筋肉を動かす仕組みが、ダイエットや持久力アップなど「身体に良い効果」につながるからです。また、適度な運動量によりセロトニンの分泌量が増えることで「精神に良い効果」もあります。さらに注目なのが、ボイトレに嬉しい「発声に関連する効果」もあることです。
- 身体に良い効果
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ダイエット効果、持久力アップ、疲労回復、高血圧・高血糖・脂質異常症などの生活習慣病の予防、骨粗しょう症の予防など
- 精神に良い効果
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リラックス効果、ストレス軽減、前向きな思考、うつの予防、睡眠の質の改善など
- 発声に関連する効果
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心肺機能の向上により肺活量が増えると、発声のコントロールができるようになり、パワフルな歌声やロングトーンが出しやすくなる
最後まで力強く歌い切れる体力がつく
筋力アップにより体幹が鍛えられ、安定した歌声で歌えるようになる
リラックス効果により、身体やのどまわりの緊張がほぐれてより高音にアプローチしやすくなる
など
次に身体、精神、発声それぞれにどのような影響があるのかを詳しく解説します。
有酸素運動の心身声への影響
心への影響
有酸素運動を行うとストレスを解消させるホルモンが分泌されます。そのホルモンが「幸せホルモン」ともいわれている「セロトニン」や「エンドルフィン」です。
また運動時は交感神経が優位な時間が長くなり、運動後はゆっくりと副交感神経が優位になっていきます。
- ストレス軽減、リラックス効果
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セロトニンは精神安定剤とよく似た分子構造をしているホルモンです。ストレスを軽減させて、安定や安心を感じることができます。
エンドルフィンは、気分の高揚や幸福感、鎮痛作用などがあるホルモンです。リラックス効果など気分の改善につながります。
また運動後は副交感神経が優位になるため、リラックスした状態へと切り替わります。
- 集中力アップ
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セロトニンは、脳を活発に働かせる脳内物質でもあり、頭の回転を良くして直観力を上げる効果があるといわれています。心が落ち着いた状態で気分が良くなり、不安感が改善されて集中力が高まります。
- 前向き思考、やる気アップ
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有酸素運動を行っていると交感神経が優位になります。心身ともに活発な状態になり、意欲的でポジティブな思考になりやすくなります。
- 睡眠の質の改善
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適度な有酸素運動により体が疲れると、その疲労感で寝つきがよくなり、深い眠りにつけるようになります。
眠りが深くなると、夜中に目が覚めずスッキリと朝を迎えることができ、睡眠の質の向上につながります。
- うつ病の予防や改善
-
セロトニンやエンドルフィンなどのホルモン分泌、交感神経・副交感神経のスムーズな切り替えにより、リラックスした状態で気分が明るくなり、ポジティブな考え方になります。深い眠りにつけることもあり、うつ病の予防や改善効果も期待できます。
身体への影響
有酸素運動は、前述した通り、体内の糖質や脂質を燃焼させてエネルギー源とする運動です。
運動することで心肺機能が強化されたり、体力がついたり、身体に良い影響をもたらします。
- ダイエット効果
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体内の糖質や脂質がエネルギーとして利用されることで、脂肪燃焼が進み、体脂肪や体重減少といったダイエット効果に繋がります。
糖質や脂質が燃焼してエネルギー源になるまでには時間がかかります。汗をかく程度の運動を20分以上続けるといいでしょう。
- 基礎代謝アップ
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運動により筋肉が成長・発達すると筋肉量が増え、基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がると体脂肪をより効果的に燃焼することができます。
- 体力アップ
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有酸素運動を続けていると、体力がつき、全身持久力を高めることができます。
全身持久力とは、持久走など一時的に発揮できる持久力ではなく「長時間体を動かすことができるスタミナや粘り強さ」をいいます。健康的な体力をつけることができます。
- 心肺機能の向上
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運動中は、心臓がたくさんの血液を体全体に送り出すことで心臓が鍛えられます。また深い呼吸で肺が鍛えられ肺活量がアップし心肺機能が強化されます。
- 血流改善
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心肺機能が向上すると、全身の血流が促されて体内の血液循環がスムーズになります。血液に乗って酸素と栄養素が全身に行き渡り、疲労回復や美肌効果などさまざまな良い効果につながります。
- 疲労回復
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血液循環により疲労物質や老廃物が腎臓、肝臓などに運ばれて分解・排出されます。これにより疲労が回復します。また適度な運動による疲労で睡眠の質が上がり、回復力が高まります。さらに十分な睡眠が取れることで日中に疲れにくくなります。
- 美肌効果
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血流改善により新陳代謝が活発になると、肌のターンオーバーが整い美肌効果が期待できます。肌荒れや乾燥肌の改善にもつながります。
- 柔軟性が高まる
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血行促進により筋肉の血流が良くなると筋肉の温度が上昇します。これにより筋肉が柔らかくなり柔軟性が高まります。体も温まるのでウォーミングアップにもなります。
- 呼吸力を高める
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深い呼吸を意識することで、息を吐き切って吸う「腹式呼吸」ができるようになります。酸素を効率よく体内に取り入れられるだけでなく、全身の血流改善や自律神経の働きをコントロールできるようにもなります。
発声への影響
有酸素運動の心と身体に与える影響は、発声にも大きく関係します。
- パワフルな歌声に
-
心肺機能の向上により深い呼吸で歌えるようになると、音域が広がり、説得力のあるパワフルな歌声が出せるようになります。
- 息切れせずに最後まで歌える
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肺活量と体力がアップすることで「歌の後半でスタミナ切れ」なんてことがなくなり、最後まで息切れせずに力強く歌い上げることができます。さらに長時間安定して楽に歌えるようになります。
- ロングトーンや高音が安定
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筋力がつくことで体幹が強くなり、下半身が安定します。肺活量もアップし、ロングトーンや高音のコントロールができるようになり、歌声が安定します。
- 高音が出しやすくなる
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血行が良くなると筋肉が温まって柔らかくなります。リラックス効果も加わり喉まわりの筋肉がほぐれてウォーミングアップができ、高音が出しやすくなります。また質の良い歌声が出せるようにもなります。
- クリエイティブな影響も
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心への影響でも説明した通り、有酸素運動は頭の回転を良くして集中力がアップします。また血流も良くなり脳の働きも促進。頭脳に良い影響が生まれ創造力もアップします。
クリエイティブな発想は、作詞作曲のいいアイディアにつながるかもしれませんね。
おすすめの有酸素運動
- 歌を歌う
-
- 血流促進
- 代謝アップ など
正しい腹式呼吸で歌うと有酸素運動になります。横隔膜が動くので腸が刺激されて、うれしい便秘解消効果もあります。
腹式呼吸のやり方について詳しくはこちらをご覧ください。
1人でもできる!歌がうまくなる方法・テクニックまとめ
- 散歩、ウォーキング、ジョギング、サイクリング
-
- 脂肪燃焼によるダイエット効果や健康増進
- 心肺機能の強化
- 呼吸力向上 など
運動時は正しい姿勢・フォームを意識するのがポイントです。サイクリングは負担の少ない姿勢を意識し、スピードを出しすぎないようにしましょう。
有酸素運動の効果を上げるだけでなく、ケガの予防にもなります。
- 水泳
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- 心肺機能の強化
- 呼吸力向上
- 体力アップ など
長い距離を泳ぐよりも「長い時間泳ぐ」ことを重視しましょう。泳ぐのが苦手な方は水中ウォーキングもおすすめです。
- ヨガ
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- 脂肪燃焼
- 呼吸力向上
- 姿勢改善
- 代謝アップ
- ストレス軽減 など
心身ともに良い影響がありますが、ポーズや呼吸法を正しく行わないと効果が半減します。
- ダンス
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- 脂肪燃焼効果によるダイエット効果
- 血流改善
- 代謝アップ
- リズム感アップ
- 体の柔軟性を高める など
音楽のリズムやテンポに合わせてなるべく体を大きく動かすと、より高い効果が得られます。
有酸素運動の効果的な行い方
有酸素運動を効果的に行うためのポイントを紹介します。
- ①20分以上行う
-
脂肪燃焼効果が高まるのは20分程度からといわれています。ダイエットや生活習慣病
- ②続けやすいペースで行う
-
体重増加予防で国際的に推奨されている時間は週150分程度です。毎日やると20〜30分ですが、忙しくて時間が作れない場合は1時間程度の運動を週2〜3回でもOKです。
- ③1回10分でもOK
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20分のまとまった時間を作るのがむずかしい場合は、1回10分程度の運動を複数回行っても効果があるといわれています。「時間がないから」とあきらめず、隙間時間を利用して有酸素運動を行いましょう。
- ④習慣化する
-
有酸素運動は継続することで効果が発揮される運動です。
運動を習慣化するためのポイントとしては
- 1日の中で運動する時間を決めておく
- ダイエットなのか、健康のためなのか、運動の目的を明確化しておく
- 効果が高そうな運動よりも自分が続けやすい運動にする
などがあります。
腹式呼吸でお腹の底から歌うのも有酸素運動になります。時間がない時や運動が苦手だという方は、歌を歌うのもおすすめです。
やりすぎは歌下手のもと!注意事項を守ろう
継続的に行うことで効果が上がる有酸素運動ですが、やりすぎは逆効果です。発声にもよくない影響が出るので注意しましょう。
有酸素運動をやりすぎるとどうなる?
- ①痩せにくくなる
-
エネルギー源となる脂肪が足りなくなり、筋肉(タンパク質)を使って痩せようとするため筋肉量が減って基礎代謝も下がり、痩せにくくなります。
- ②筋肉痛や疲労がなかなか回復しない
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疲労回復が追いつかないまま運動を続けることで、筋肉痛や疲労がなかなか回復しなくなります。またケガのリスクも上がります。
- ③安静時に血圧が上昇
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筋肉の活動が活発になりすぎると血液がたくさん必要となり、安静時でも血圧が上昇したまま下がらなくなる可能性があります。
- ③声がかすれる
-
やりすぎにより大量の汗をかくと、気づかないうちに水分不足になり声がかすれることがあります。
- ④声帯に負担がかかる
-
歌うことは有酸素運動になりますが、正しい腹式呼吸ができていないまま歌いすぎると声帯に負担がかかり、喉を痛める恐れがあります。
上記のようにならないための注意事項は次のとおりです。
- 1日1時間以上やらない
- 無理せず適切な休息を取る
- エネルギー不足にならないよう空腹ではやらない
- 水分補給をこまめにする
- 筋肉の材料となるタンパク質を摂取する
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